上述したように英語学習は重要なのですが、勉強しなければ底辺に落ちると言わんばかりの、脅しに終始した説明でした。こうした消極的動機で勉強し始めることも非難されるべきではありませんが、積極的動機もあればさらに勉強が楽しいものになることでしょう。

 英語を駆使するメリットの筆頭に挙げられるのは、最先端の情報に逸早く触れられることです。最大のマーケットが英語圏であることを忘れてはなりません。超大国のアメリカの母国語だということも手伝い、情報の出所が英語圏でなかろうと、必ず英訳が添えられます。例えば商社で電子部品の輸出入を担っているとしましょう。メーカーの新製品発表をライバルに先駆けて読解しなければなりませんが、第一報はメーカーの母国語と英語で発表されるため、英語さえ身に付けていれば最も早く情報を手に入れることができます。

 メリットの二つ目は、国際水準の論理構成力が養えることです。日本語で持論を伝える際、しばらく要諦を出し惜しみするかのような説明を展開し、最後の最後に結論が示されることも多いのですが、英語の説明パターンは「結論→根拠→結論の再提示・捕捉」が定型となっており、長文であってもこのパターンが繰り返されているだけです。聞く者、読む者が把握しやすいのは日本語よりも英語のパターンと言えます。英語を学習すればこのパターンに何度も遭遇しますから、世界中で通用する論理構成で伝えることができるようになるのです。

 メリットの三つ目は、日本で生まれ育ったというだけで、それが武器になることです。世界で英語を話せる人が今以上に増えると、英語を話せること自体の価値は下がります。海外や外資であなたがアピールできるものは、英語ではなく、日本に精通した英語話者である点です。外国人や外資系企業は日本文化について知りたくても、日本文化の肝要を身体化している日本人の多くが英語を話せません。英語の話せる日本人は、日本に関心のある彼らにとっては頼もしい先生なのです。